お湯がぬるくなるまでに、花を飾る 〜こどおば部屋の窓辺で〜

人や物の名前が出てこない。脳を活性化させるのだ!!アウトプット開始!!

ラピスラズリの開運広告にワクワクしたアラフィフが、コパイバマリマリを試した口コミ

おはこんばんちわ。

 

本日も、我が貧弱な海馬をこれでもかと刺激すべく、全力のアウトプットを捧げに参上いたしました。

 

みなさま、いかがおすごしでしょうか。

ここのところ寒暖差というやつが本当に激しくて、私などはもう、体調を崩してしまいそうですわ。急な冷え込みが厳しくなったりして、アラフィフの体調管理というのは本当に綱渡り、試練の連続でございますね。

 

ところで、去年の年末のこと。X(旧Twitter)をぼんやり眺めていた私は、思わず目が釘付けになるポストを見つけてしまったのだ。

 

実はその当時、私は自分の歯がそこまでとんでもない事態に陥っているとは、夢にも思っていなかった。定期的に歯茎がプクッと腫れるのが「なんか嫌だなあ」と気になってはいたものの、まさかそれが「歯根にピキッと亀裂が入ったことによる大炎上」だとは、これっぽっちも知らなかったのである。

 

www.miracle-acchin.com

 

 

だから、そのポストを見た瞬間、脳内で何かが弾けた。

 

「これ……もしかしたら、私のこのモヤモヤに終止符を打ってくれる、奇跡の雫なのではないかしらん」

 

こうなると、もう止まらないのが人間の性(さが)というものである。 私の脳裏を鮮やかによぎったのは、昔懐かしい少年誌の裏表紙だ。

 

そう、あの「身につけるだけで異性にモテモテ、大富豪になれる天然石ラピスラズリ!」とか、「寝ている間に身長が20㎝伸びる謎の特訓器具!!!」といった、あまりにも胡散臭くて、それでいて妙に愛おしかった、あの怪しげな開運・健康グッズの広告。

 

あの頃、ページをめくっては「すごーい、本当に幸せになれるのかしら」とピュアにワクワクしていたあの精神状態のまま、私は猛然とコパイバの投稿に飛びついた。大人になってもやっていることは何一つ変わっていないのだから、我ながら少々情けない。 (そういえば『日ペンの美子ちゃん』って、今でもあるのかな……)。

 

しかも、運命の悪戯というか、ちょうどその頃の私は「0.1gの誤算」というV系バンドの水田魔梨(ミズタマリ)さんというお方に、狂おしいほどの情熱を注いで、絶賛推し活中だった。

 

 

「コパイバマリマリ」と「ミズタマリ」。 ……似ている。完璧に一致しているわ。 そんな、冷静に考えれば一ミリも関係のない事実を華麗にスルーし、私は勝手に運命的なシンパシーを感じて、光の速さで「購入」のボタンをポチリと押したのである。実に見事なまでの、おめでたいオタク脳ではないか。

 

お値段、10mlで3,700円ほど。 普段、1リットル1,000円という、じゃぶじゃぶ使える大容量化粧水で顔面を潤している私からすれば、目玉が飛び出るほど高級品である。 だけど、推しが絡むと(1ミリも絡んでいない)、急に「まあ、これくらい必要経費よね」と金銭感覚のネジがどこかへ飛んでいってしまうのが、切なきオタクのサガ。1ミリの後悔もなかった。

 

ポストには「歯周病に」と書いてあった。 その頃すでに、私の心のどこかで「ワタクシ、本当にそのレベルかしら……?」という不穏な予感はうっすらあったのだ。でも、とにかく歯医者さんに行きたくなかったのである。あのキーンという音を聞くくらいなら、アマゾンの奥地にすがりたい。まさに藁にもすがる、必死の思いだったわけだ。

 

さあ、待ちに待った商品が届いた。 ワクワクしながら這いつくばるようにして開封したのだが――。

 

……ちょっと待ってほしい。く、臭い。 臭いのである、これが。 え、ちょっとこれ、本当に人間の高貴なお口の中にブチ込んで大丈夫なものなんですの!? なんと言えばいいのかしら、森全体を木の根っこから土ごと丸めてガチガチに固めたような、もう「大自然が力技で殴りかかってきた」としか思えない、もの凄まじいかほり。

 

なんでも、コパイバマリマリという木からポタポタと滴り落ちた、嘘偽りのない「100%天然の樹液」なのだそうだ。傷を負ったアマゾンの野生動物たちが、この樹にゴシゴシと体をこすりつけて健やかさを取り戻していた……なんていう、嘘みたいな野生の伝承もあるらしい。お肌はもちろん、粘膜に直で塗ってもお口に入れてもOKというから驚きである。

「よし、動物たちに負けてたまるか」

気合を入れ直した私は、歯ブラシの毛先にその樹液を数滴、慎重に垂らして、お口の中へ突撃させた。

 

こ、これは…………!!!!!! すっげーーーーーーーまずい!!!!

 

もう、良薬口に苦し、なんていう生優しいことわざを噛み締める余裕すらナシ。 脳天を突き抜けるマズさを必死に我慢しながら、涙目でゴシゴシと磨いた。でもね、二日、三日と続けてみて、ついに我が魂がギブアップを告げた。

 

無理。

 

私にはこのディープすぎる樹液の味は耐えがたかった。

 

何が悲しくて、歯を磨いた後に口の中がちっとも爽やかにならないどころか、アマゾンの原生林に取り残されたような気分にならなきゃいけないのか。 というわけで、わずか1週間足らずで使うのをやめ、洗面所の奥深くにそっと放置されることとなりました。実にあっけない幕切れである。

 

それから、しばらく経ったある日のこと。 私の唇に、正体不明のザラザラとした肌荒れが出現した。 これがまたしぶとくて、1ヶ月くらいずーーーっと唇の特等席に居座り続けている(年を取るとターンオーバーがのんびりしすぎて、本当に何一つ早く治らない)。 だんだん痛痒いような気すらしてきて、「うわぁ、病院行くの面倒くさいな、どうしよう……」と頭を抱えていたその瞬間、脳内の暗闇にキラリと光るものがあった。

 

――そうだ、あのコパイバマリマリがあるじゃないか。

 

粘膜にもいいと言っていたし、どうせ放置されているのだからダメ元よ、と、寝る前にその居座っているものに塗ってみた。

 

で、翌朝。パチッと目が覚めて、鏡を二度見した。

 

「唇からいなくなってるーーー!!!(※個人の感想です)」

 

コパイバマリマリ、私のこの唇に鎮座したものとは相性が抜群だったみたい。この時ばかりは、あの小泉元首相ばりに「感動した!!!」と洗面所で叫びたくなりましたわ。

一説によると、お肌の健やかさを保つ素晴らしいケア成分がこれでもかと含まれているらしい。なるほどね、と納得した私は、この日を境にコパイバの用途を「お肌の守護神」へと、鮮やかに変更いたしましたの。

 

じゃあ、なんであの時、私の歯茎には1ミリも響かなかったのか? 理由はあまりにもシンプル。 私の歯のダメージが、そんな初期の炎症レベルなんてものを遥かに超越していたからだ。

 

すでにこの時点で私の歯根は、旧約聖書でモーゼの杖によって海が真っ二つに割られた、あの海の如く、見事にパッカーンと割れていたのである。 コパイバの樹液のパワーがどうのこうのという次元ではなく、完全に「現代医学によるメス(手術)が必要なステージ」に達していたのだから、仕方がありませんわ。致し方ない。

 

でも、私の冒険はここでは終わらない。 その後に懲りもせず、今度は「コパイバ歯磨き粉」なるものを、ネットで見つけて買っちゃったのである。お値段たしか1,000円から1,200円くらいだったかしら。 ほら、お口の中を元気にするに越したことはないし、あらかじめ「歯磨き粉」としてチューブに入って製品化されているものなら、いくらなんでも普通に使えるだろうと、高を括っていたのだ。

結果。

 

すっげ~~~~~~~~~~~まずかった。

 

裏切りを許さないその圧倒的なマズさに完敗したコパイバ歯磨き粉は、現在、我が家の洗面所の棚の特等席で、完全なるアーティスティックなオブジェと化しております。

 

でもね、この一件で、あの少年誌の「怪しい広告ページ」が猛烈に愛おしくなってネットで検索してみたら、なんと私の大好きな「デイリーポータルZ」さんで記事になっているのを発見しちゃった!

 

dailyportalz.jp

いやもう、さすがデイリーポータルZさん、着眼点が最高すぎる。

 

やっぱり、あの怪しさに心を躍らせていた同志は、日本中にたくさんいたのね、と、妙に温かい気持ちになって、私のコパイバを巡る大冒険は幕を閉じたのであった。