おはこんばんちわ。みらくるあっちんです。
前回の「顔面マグマ破裂未遂事件」から数日。ついに、あの優しき担当医との再会の時がやってまいりました。
彼は地域でなかなかの人気を誇っているのか、はたまた単にクリニックが大繁盛しているのか、2週間に1度しか予約が取れないという売れっ子先生です。
久々の診療台に横たわり、「その後、痛みや腫れはいかがですか?」といつもの優しいトーンで聞かれたので、私は正直に白状いたしました。
「実は……マッサージへ行きまして、ドーナツ型の顔枕に顔面を押しあててしまい爆発しかけました。でも、今はいい感じに引いてきました!」
その瞬間、マスクの下で先生が「えっ……?」と戸惑い、フリーズしたのを私は見逃しませんでした。
ごめんね、先生。あんなに「血流が良くなることはしないで」と言われていたのに、5,500円をケチって自ら火に飛び込んでしまいました。
さて、この担当医。かつての細木数子先生のように決してズバッと言い放つタイプではございません。
あらゆる選択肢を丁寧に提示した上で、「さあ、どうしますか?」と、どこまでも優しく、こちらの出方を伺ってくるお方。
悪く言えば「究極の丸投げ」とも受け取れますわね。
最新のAI設定みたいに、「もし自分の愛する家族ならどうするか、という基準でアドバイスをしてください」と喉元まで出かかったのだけれど、哀しいかな、私も先生と同じく、言いたいことをろくに言えない小心者の乙女。お互い様なのででございます。
しかし、治療が始まった瞬間にそんな空気は吹き飛びました。
前回に引き続き、今回も針のような器具で、ザクザク、ゴリゴリと我が歯根を掘り進められる(世に言う根管治療)。
あまりの恐怖に、私は背中に冷や汗を流しながら、本当に生きた心地がいたしませんでした。
ひとしきり治療を終え、魂が抜けかけた私に、先生は再び同じ質問を投げかけてきました。
「……で、どうしますか?」
ここで、前回のブログ執筆中に私の脳内を支配していた「懸念点」を、思い切ってお尋ねしてみました。
「先生、保険が利く歯で再建することはできないのですか?」と。
先生の答えはこうでした。
「できなくはないけれど……やはり次にまた炎症が起きた場合は、せっかく作った被せ物を外して、また一から掘ることになりますね。それに、亀裂の入ってしまった歯根は元には戻らないので、今後も定期的に腫れると思います」
あまりにも無慈悲な宣告。
よくよく考えてみれば、私の実の親ですら、まだ入れ歯のお世話にはなっていないのです。
ちなみに我が「おばあちゃま」は現在も存命しておりますけれど、彼女はすでに部分入れ歯のステージなどとっくに超越され、現在は入院して流動食を召し上がるという『ネクストステージ』に突入されております。(急に訪れるガチの現実)
つまり、おばあちゃまがかつて使っていたあの「残った歯に金属のバネを引っ掛けるタイプの部分入れ歯」の世界線は、今や身近に誰もいない空白の地。
まさかアラフィフのこの私が、親をゴボウ抜きにして、あのおばあちゃまのいたステージにこんなにも早く到達してしまうなんて、一体誰が想像したでしょうか……!
無慈悲!!!!
自分には一生関係のない世界だと、タカをくくっていたのに。
国家予算並みの最新鋭工事「インプラント」か、はたまた昭和の哀愁漂うおばあちゃま直系の「入れ歯」か、究極の2択。
しかし、私の心の中には、すでにあの名監督の姿が降臨しておりました。
「安西先生……!!」
私は、あの三井寿ばりの覚悟で、先生に告げたのです。
「先生……っ、入れ歯にしたいです……!!」

(※もし将来、ロココを彩るブルジョワジーの仲間入りを果たし、湯水のように金貨を注ぎ込める身分になりましたらその時はまた言います、という10%の往生際の悪さも、小声でしっかりと付け足しておきましたわ)
決断が下るや否や、治療の手際は光速でした。
「はーい、じゃあ型を取っていきますね〜」
次の瞬間、私の口内へ容赦なく突っ込まれたのは、『チャーリーとチョコレート工場』の工場長でも引くレベルの、鮮やかなピンク色をした大量のガムのような物体。
ウッ……!! 窒息の2文字が脳裏をよぎり、私は内心ものすごいパニックに。
落ち着け、落ち着くんだあっちん!これはただのガム、これはただの粘土!
私は静かに目を閉じ、そのまま無の境地、スピリチュアルな瞑想空間へと突入いたしました。
型取りを終え、目を白黒させてる私に、先生は「入れ歯は次回までに用意しておきますね」と爽やかに一言。
もちろん、その「次回」とは、きっかり2週間後でございます。
ちなみに皆様、保険適用の部分入れ歯って、一体いくら位かご存じ?
リサーチによると、だいたい5,000円〜15,000円程度らしいのです。
貧民の財布からすれば高いといえば高いけれど、何十万、何百万もすっ飛ぶ自由診療の世界に比べれば、もはや駄菓子感覚(すでに感覚がおかしくなってる)。万が一使っていてぶっ壊れたとしても、「また作ればいいのよ!」と大富豪のようなセリフを吐くことだって可能です。
本当は「スマイルデンチャー」なる、金属のバネを一切使わないナイロン系の柔らかい樹脂で作られた、ピンクの部分が自前の歯ぐきに見事に擬態する、より一層「バレにくいやつ(保険適用外)」が欲しかった。
しかし、それは世知辛い自費診療の世界。私の場合だと、なんと諭吉が20人ほど一斉に旅立つ(約20万円)とのこと。
というわけで。とりあえず今回は大人しく保険を適用し、笑った時にキラリと銀のバネが見え隠れする、憧れのおばあちゃまスタイル(部分入れ歯)を作成することにいたしました!
……まぁ、先述した通り。
冷静に考えて、この世の誰もアラフィフ女子の口元なんて、これっぽっちも見てやしないのでございます(笑い泣き)。
もし万が一、大爆笑したくなったら、中世の貴婦人のように、上品に口元へ手を当てればいいだけのこと。
そうよ、おーほほほ!って手を添えれば、すべてはエレガントに解決いたします。
将来的に、インプラントにステップアップするのか、はたまた「スマイルデンチャー」に浮気するのか、そんなことは一旦置いておきましょう。

2週間後、私の口内にニューヒロイン(部分入れ歯)が降臨するその日まで、しばし待たれよ!









